影の歌
楽人よ、そのしなやかな指で、
かそけき弦をかき鳴らせ。
星々がかすかな光をなげかけ、
砂が静かに沈みゆく。
年老いた猟犬はうずくまり、
夢の中でくんくんとなく。
残り火はわずかに燃えて、
壁のうえに影が来ては行く。
楽人よ、しめやかに汝の弦をかき鳴らせ。
一分は一時間となり、日は重なって、
風もなく、静まりかえった窓に、
霜が美しき迷路模様を描く。
まぼろしが闇の中をさまよい来たり、
開いた戸の前で立ち止まり、耳傾ける。
楽の音に呼びさまされて、夢の中、
今一度我が家に帰りくる。
詩集『孔雀のパイ』改訂版
ウォルター・デ・ラ・メア詩
エドワード・アーディゾーニ絵
間崎ルリ子訳
瑞雲舎
更新情報:
- 2025.12.01
- 『児童文学専門店いい本屋COME HITHERをはじめるまで イギリスとアイルランド1か月の旅』全国の書店とアマゾンで発売中。図書館でも予約できます。著者名「井伊真希」で検索してください。
- 2025.11.01
- News 2025.11.1 『児童文学専門店 いい本屋COME HITHERをはじめるまで イギリスとアイルランド1か月の旅』 井伊真希 文・絵 三省堂書店/創英社 11月中旬発売予定
- 2025.09.10
- News 2025.9.10 母校の東京農工大学のホームページに載せてもらいました。ぜひ見て下さい♪
- 2025.08.01
- News 2025.8.1 いつもホームページを見てくださってありがとうございます。 7月末から自費出版の本の原稿のチェックをしています。書きたい事がたくさんあって300ページくらいあるので、チェックだけでも何週間もかかりそうです。秋には出版できると思うので楽しみにしていてください。本の題名は『児童文学専門店 いい本屋COME HITHERをはじめるまで イギリスとアイルランド1か月の旅』です。
- 2025.04.01
- News 2025.04.01 2025年2月に瑞雲舎から『ライオン』が出版されました。 お近くの図書館でリクエスト予約して、読んでみてください。 『ライオン』 文・絵 ウィリアム・ペーン・デュボア 訳 まさき るりこ 発行所 株式会社 瑞雲舎
<1月のおすすめの本>
『さらわれたデービッド』
R.L.スティーブンソン 作
坂井春彦 訳
寺島龍一 画
福音館書店
ショーズ屋敷へ旅立つ
この冒険談を、西暦一七五一年六月上旬のある朝のことから始めよう。その朝を最後に、わたしは父の家をあとにしたのだった。
道を下っていくにつれて、太陽が山々のいただきを照らし始め、やがて牧師館につくころには、庭のライラックのしげみで、つぐみがさかんにさえずり、夜明けがたから谷間に立ちこめていた朝霧もしだいにはれて、消え始めていた。
エッスンディーの牧師キャンベルさんは、わざわざ、庭木戸のところでわたしを待っていてくれた。朝飯はすんだかとたずね、何もほしくありませんと答えると、両手でわたしの手をやさしくはさんでひきよせ、自分の腕の下にさしいれた。
「それでは、デービー、」と牧師さんは言った。「浅瀬のところまで、おまえの門出を見送りに行くとしよう。」
わたしたちはだまって歩きだした。
物語の最初、デービーの伯父はとても変わった人なので少しびっくりするが、デービーが船に乗ってしまってからは、次はどうなるのだろうと読み進んでしまう本。
R.L.スティーブンソン 作
坂井春彦 訳
寺島龍一 画
福音館書店
ショーズ屋敷へ旅立つ
この冒険談を、西暦一七五一年六月上旬のある朝のことから始めよう。その朝を最後に、わたしは父の家をあとにしたのだった。
道を下っていくにつれて、太陽が山々のいただきを照らし始め、やがて牧師館につくころには、庭のライラックのしげみで、つぐみがさかんにさえずり、夜明けがたから谷間に立ちこめていた朝霧もしだいにはれて、消え始めていた。
エッスンディーの牧師キャンベルさんは、わざわざ、庭木戸のところでわたしを待っていてくれた。朝飯はすんだかとたずね、何もほしくありませんと答えると、両手でわたしの手をやさしくはさんでひきよせ、自分の腕の下にさしいれた。
「それでは、デービー、」と牧師さんは言った。「浅瀬のところまで、おまえの門出を見送りに行くとしよう。」
わたしたちはだまって歩きだした。
物語の最初、デービーの伯父はとても変わった人なので少しびっくりするが、デービーが船に乗ってしまってからは、次はどうなるのだろうと読み進んでしまう本。






