いい本屋 COME HITHERは、兵庫県神戸市東灘区岡本にある児童書専門店です。
住宅街の一角にある本屋です。
ぜひお気軽にお越しください。

更新情報:

2025.04.01
News 2525.04.01 2025年2月に瑞雲舎から『ライオン』が出版されました。 お近くの図書館でリクエスト予約して、読んでみてください。 『ライオン』 文・絵 ウィリアム・ペーン・デュボア 訳 まさき るりこ 発行所 株式会社 瑞雲舎

<5月のおすすめの本>

ドリトル先生航海記

5月のおすすめの本
『ドリトル先生航海記』
ヒュー・ロフティング作
井伏鱒二訳
岩波書店

 私の名まえは、トミー・スタビンズといいます。「沼のほとりのパドルビー」という町の靴屋、ジェーコブ・スタビンズの子どもでありました。私が九歳か十歳のころのことでしたが、そのころ、パドルビーは、ものしずかな小さい町でした。
 ある春の日の朝のことでした。私は、ひとりで散歩に出て、町のうしろの丘にのぼりました。すると、一羽のタカが大きな岩の上にまいおりて、一ぴきのリスを足につかんでいるのを見つけました。リスは命がけで、タカとたたかっていました。でも、いきなり私がそこへ出て行ったので、タカはびっくりして、あわれなリスをすてて飛び去ってゆきました。私はリスをひろいあげてみましたが、かわいそうに両方の足に、ひどいけがをしていました。それで、私はリスをだいじに手のひらに入れ、町のほうにひきかえしてゆきました。
……「このリスの命を助ける医者は、たったひとりしかないんだ。それは、まさにジョン・ドリトル先生その人だ。」と貝ほりのジョーはいいました。

スタビンズ君はドリトル先生の助手になり、オウムのポリネシアから動物語を習い、ドリトル先生と一緒に航海に出ます。

<5月の詩>

ライラックの枝のクロウタドリ

5月の詩

「め牛たち」

あるねむたい五月の日、
半日は草を食べ、
あとは一日中、水をたたえた草地に横たわり、
   もぐもくと噛みかえし───
   モーオ、モーオとなきながら───
日がな一日過ごしてる。
   「いいお天気ね」と、茶色のめ牛。
   「そうね」と、白いめ牛が。
   「草はおいしい」
   「草はいい」

あるねむたい五月の日、
半日は草を食べ、
あとは一日中、水をたたえた草地に横たわり、
   もぐもくと噛みかえし───
   モーオ、モーオとなきながら───
日がな一日過ごしてる。

   「雨になりそう」と、茶色のめ牛。
   「そうね」と、白いめ牛が。
   「ハエはうるさい」
   「ブヨはかむ」

あるねむたい五月の日、
半日は草を食べ、
あとは一日中、水をたたえた草地に横たわり、
   もぐもくと噛みかえし───
   モーオ、モーオとなきながら───
日がな一日過ごしてる。

   「帰る時間ね」と、茶色のめ牛。
   「そうね」と、白いめ牛が。
   「たのしかったわ」
   「ほんとにとっても」
   「おやすみ」
   「おやすみ」

あるねむたい五月の日、
半日は草を食べ、
あとは一日中、水をたたえた草地に横たわり、
   もぐもくと噛みかえし───
   モーオ、モーオとなきながら───
日がな一日、そうして過ごす。

『ライラックの枝のクロウタドリ』
ジェイムズ・リーヴズ著
エドワード・アーディゾーニ絵
間崎ルリ子訳
こぐま社

<5月の俳句>

コマドリ Photo by WAKO

シロバナタツミソウ Photo by Maki

赤い羽根 赤いエプロン 春きざす
                 井伊恒子
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